寝ても覚めても夢の中

個人の妄想と偏見と現場からの記録

じこくんおすすめプレイリスト

ZICO布教のためのソングリストです。

 
まずは最新曲Anysongを聞いてから話を始めましょう。
なんかいい曲かけて、と言われたらこれをかけるんだ。
 
それでは、彼のきらめくポップスター/アーバンミュージックの名手/オフェンシブなラッパーとしての多彩な顔をご覧いただきたい。
それぞれ代表曲と思えるものをピックアップしてみました。
 
 
Artist(2017)
 韓国でチャートキルしたヒットチューン。老若男女が歌って踊れる、まさにポップの王道。
ダンスは日本人のリエハタさんが担当。ジコくん自らアポとって依頼に行ったそうです。撮影場所は川越。このPVの打ち合わせの様子がドキュメンタリーに収められていますが、日本語で打ち合わせしてる。言葉を駆使して自らの世界観を伝える様はまさにアーティスト。

https://youtu.be/hKv2xNIwT8U

 
Soulmate(2018)
大人気女性シンガーIUをフィーチャリングした名曲。
耳ざわりよくキュートな雰囲気ですが、ビートの勢いに頼れない分、実はラップの難易度が半端ない曲でもあります。
 
 
Extream(2019)
2019年のジコは、芸能人カカオトーク流出から発覚した盗撮・売春あっせんなどの事件に関わっている、というデマに翻弄されました。
長い沈黙ののち9月にリリースされたこの曲の間奏には「I've never seen a video like that.」という歌詞カードにないフレーズがあり、ファンは快哉を叫びました。音楽で答える男。 
 
③-2 Vermuda triangle(2017)

CrushDEAN、PENOMECOら94年生まれのアーティスト中心で結成されているクルーが”FANXY CHILD(FXCD)”。ジコはこのクルーのリーダーでもあります。

いずれも韓国のミュージックシーンで重要な位置を占めるメンバーなのですが、その人気ゆえに多忙のため集まっての活動が難しく、それでも互いに活動をシェアし助け合っています。
2019年の夏に、はじめて全員がそろった”完全体FXCD”としてのリリースとライブを果たし話題になりました。
 
 
見ましたね? では、気に入った曲の頭についていた番号のところに飛んでみよう!
 
 

 

①が好きだなと思ったらこちら!
◆Boys and girls (2015)
ライブでとにかく盛り上がる曲。ジコソロ曲としての歴史は古く、Block B時代からライブのソロコーナーで披露していました。
 

◆Daredevil(2019)
https://youtu.be/yp26FJduCFc

人気ラッパージェキワイとヨムタをフィーチャリングとして起用。
頻出するKOZというのは、今年設立した個人事務所名です。ヌケ感が気持ちいいポップな1曲。
 
◆genius(2017)
ひとまずライブMVを見ていただきます。
チャートキラーと呼ばれる男による「俺は天才なんかじゃない、努力してんだ」「音楽ってまじ難しい」という歌詞にしびれる。
 
この曲はライブ版が楽しくていい感じなので曲を気に入ったらこれもぜひ。
 
◆Where(2017)
ヒップホップサバイバル番組、SMTM6にプロデューサーとして出演した際、DEANと共同制作した曲。いまだ殿堂入りのサマーチューン。
ちょうど2:00あたりのジコくん登場シーンの華やぎを見てください。
 
◆Paredice (2017)
上記FXCD所属のビートメーカーmillicのアルバム収録曲。吸い込まれそうなビートに、巧みな歌とラップが心地よさを生み出しています。
このリリースの時点でmillicとpenomecoのふたりはまだほぼ無名。でもジコくんはソロでラインナップされたサマソニに二人を連れてきてステージに上げたりして、ホーミーをフックアップしつづけてきました。
 
 ◆Actually(2019)
最新アルバム曲。シングルカットはこれにしたら、という周囲の声も多かったそう。そのぐらいキャッチーで気持ちの良い1曲です。歌詞がめちゃかわいい。半分実話だそうです。
 
 
 
②が好きだなと思ったらこちら!

◆너는 나 나는 너 (I Am You, You Are Me)(2016)

https://youtu.be/ewjucLierFc
アーバン! PVかわいい! ライブの定番で、ファンにむけてI'm you, you're me.ってやってくれる。シンガロング曲でもあります。
→ ttps://youtu.be/VnIBxm2wmog こんな感じ

 
◆She's my baby(2017)
アイドルっぽいソロ曲。なんか可愛すぎちゃってそわそわしますね……本人もそう思ってるのか、最近あんまりやらない。「君はベイビー、ひとりにしておけないよ、ぐっすり眠らせてあげなきゃ」とさんざんねこっかわいがりしたあげく、最後に「あーきみの彼氏がうらやましい」という歌詞! 歌詞!!
 
 
◆Cereal(2017/Crushのアルバムに客演)
https://youtu.be/106613NbPQ0
FXCDメンバーでもあるクラッシュの曲に登場。一度聴いたらリピートしたくなる。クラッシュも昔ダンスをやっていたことがあり、もちろんジコくんはアイドルだったので踊れる。
踊れる身体を持つ人がR&Bとかヒップホップをやっている、というのがすごく良い。
 
◆It's you(2018/サムキムの曲に客演)
こういう曲でほんとによくわかる、ラップがうまい!!! 甘めのR&Bに乗せてもこうやってラップがはまるのは、アイドルとして磨かれた表現力のおかげでもあるのかな、と思ってます。
 
 
◆Balloon(2019)
どこに入れようか迷いましたが、ここで紹介します。
自分の内面ととことん向き合ったというエモーショナルな曲なので、軽やかとは言えないのですが……。
「眠れない夜におすすめ」の曲。ほんとに寝る前に聴くと妙に落ち着く。
 
 
 
 
③が好きだなと思ったらこちら!
◆Okey Dokey(2016)
 WINNERのソンミノがShow me the money4に出演した際、ジコがプロデューサーとして作った曲。
ふたりは昔、同じ事務所で一緒に練習生をしていましたが、ソンミノがそこをやめてYGにうつったという経緯があり。無名時代からお互いを良く知る仲だからこそできた1曲。
 
2016年のこのライブでは前半にバミューダトライアングルを披露。そこからのオキドキの盛り上がり~感じてくれ~!
 
 
◆another level(2019)
日本で中学生だったころからの親友PENOMECOをフックアップ。*1
ふたりともラップがうまくてバキバキなのですが、ファンの目にはふたりはプリキュア、あるいは修二と彰にみえている。一緒にいれば最強なんや!
 
◆VENI VIDI VICI(2015)
アイドル時代からやってるソロ曲。来た、見た、勝った! 
ライブだと生バンドでやったりするのですが、それがまたくそかっこいい。
 
◆ANTI, 날 & Red Sun
https://youtu.be/AfRKqvxZtQg
今年開催されたヒップホップフェスでの様子です。ANTIは自分の中にいるもう一人の自分をアンチと呼び刃を突き付けるような曲。Red sunもかなり内省的。
まんなかに入っているナルという曲は昔のミクステの曲なのですが、「俺のファンのことダセ―とかいってみろ、てめー死ぬことになるそ」みたいな歌詞があってめちゃくちゃにみなぎる。

◆Keep Going (2018)
https://youtu.be/NODrUMAkpMg
ジコくんは学生時代からアンダーグラウンドのステージにも立っていたので、ヒップホップ側からの信頼がものすごく厚い。デビュー前にはいくつかのヒップホップレーベルから声がかかっていました。
これはベテランラッパー・スゥインスの曲に客演。3:30からジコバースですが、ゲスト3人ともタイプが違う上手なラッパーなのでぜひ通して聴いてみてください。最後の表情とサイン最高!
 
 
 
さあ、あなたのお好みのジコはどれだった?
このほかにも色々な曲があるからきいてみてね!! 
 
 
★★おまけ そもそもジコくんって何者なの?★★
 
ZICO(本名ウ・ジホ)
1992年9月14日生まれ おとめ座A型
Block Bリーダー/ラッパー FXCDクルー
兄は同じくラッパーのウ・テウン
 
 
Block Bとしてアイドルデビューする前は、アンダーグラウンドで、ナクソという名前で活動していました。学生時代からラップがうまくて有名だったそう。
中学生時代には若松河田に住み、ジブリのアニメーターになりたいという夢を持って東京韓国学校に通っていたため、日常コミュニケーションが難なく取れるぐらいの日本語力の持ち主。一説では、ジコという芸名は本名のジホに「子」をつけたあだ名からきているとか。
 
→当時のミクステの曲。今年ファンミーティングでまさかの披露。
 
→東京韓国学校時代のダチ(ほぼ一般人)とはいまだにめちゃくちゃ仲良し。彼らを尋ねてフラッと東京に遊びに来てたりします。マックでコーラ買ってたとか青山で買いものしてたとか目撃情報多し。
いつだって「普通の人」の感覚を持っていたいと思ってる人なんです…。
 
 
2012年にBlockBとしてデビュー。しかし最初の事務所があまりに素人仕事で、プロデュースすらろくにしてもらえず、ジコはリーダーと同時にPDとしてもグループに関わります。
後にギャラの横領などを理由に事務所を訴え、自分たちで新しい事務所を設立。
→そんな中でもつくられる、クオリティの高いセルフプロデュース曲。今や当然の自作ドルですが、ブロビはその走りと言ってもいい存在。
 
→初期のこの衣装と演出何!? だが曲はいい。
 
→メンバーのパッキョン(じこくんとは幼稚園~小学生時代の幼馴染)が作った曲、Yesterday。ブロビは日本でも本当に人気があります。
 
→バラードもめっちゃいい
 
 
2014年ごろから、グループ活動と並行してソロ活動を開始。
 
2016年にはソロアーティストとしてサマソニのビーチステージに出演。アイドル活動をしながら、ヒップホップアーティストとしてのプロップスを高めていきます。
 
そして、なんといっても彼の名を大衆に知らしめたのは、2015年と2017年に出演したヒップホップサバイバル番組Show me the moneyでしょう。
→2015年はハイライトレコード主宰のPaloaltoとタッグを組んで出演し大きな話題に。
 
→17年にはFXCDクルーであるDEANとともに出演しました。   
 
この番組でのプロデュース楽曲がどれもヒットし、アンダーシーンからお茶の間までZICOという名が浸透。
同時に、「アイドルだけどジコはいけてる」という空気が、音楽をやっている人たちのなかでも定説となっていきます。
 
BIGBANGのテヤンに指名されてコラボしたのもこの時期。
 
 
2018年にBlock Bが所属している事務所を脱退(BlockBのメンバーから離脱したわけではなく、全員の兵役が終わったらまた活動していくとの事)個人事務所KOZを設立。
悪質なアンチ、ラッパーとアイドル両方に対する世間からの偏見などに悩まされつつも、自らの足で、ステージに立ち続ける事を選びました。
時には切り込む。爆発力を感じさせる攻め曲のスタジオライブ。
 

https://youtu.be/UP6dvTK2jF0

上とはうってかわって、”酔っ払いライブ”でみせるリラックスした表情。

 
音楽を通して強く結びついた仲間と共に、「これからの韓国音楽界をもっと多様にしたい」と話すジコ。
こちらは今年8月に行われたFXCDコンサートの公式動画。
とにかくKOZになってから動画供給が多い、早い、痒い所に手が届く運営。
 
 

https://youtu.be/2Ri6oLm4NW8

Humanと題されたタイトル曲も、2019年の嵐のような状況の中、静かに自分自身に向き合って生まれた曲だそう。
 
 
2019年、フルアルバムThinkingを発売。
KOZ所属第一弾アーティストDvwnをフックアップした新曲を発表するなど、今後は新人の発掘育成、プロデューサーとしても本格的に活動の幅を広げる予定です。

 

 

最後に、じこくんの人柄が端的に分かる私の大好きな動画を。

https://youtu.be/vqefDzZori8

 

 

 

さらにおまけ じこくんのタトゥー一覧
左腕に世宗大王(ハングルを作った王様)と、国花でもあるムクゲの花、自身の名字「禹」など
右腕に「If anyone of you is without sin, let him be the first to throw a stone at her」の文字と、セウォル号を追悼するイエローリボン、肩には叔父の洗礼名であるパウロと共にGod Saves Paulusの文字。
胸に母親の若い頃の顔とキリスト教の洗礼名、John the Apostle。
背中にマリア、脇腹にはブロビファンを意味する蜂のイラストと自分の誕生日。
おなかに十字架。

*1:ペノには長く音楽をやめていた時期がありますが、その間ZICOだけが彼に「また音楽やれば」と言わなかったそうです。そして7年後に再度音楽の道を歩もうとしたペノに「その言葉を7年待ったよ」とだけ伝えたと。

個人的サイン会体験記/THINKING

韓国でのサイン会に行ってみたいな、というのは、ケーポップを好きになってからずっとなんとなく思っていることだった。好きなひとと直接話してみたいというのはもちろん、現場の空気がどんな感じなのか、一度は自分の身をもって体験してみたい。

でも、ボーダー……とか、言葉がなあ……とか、何よりも、会って話してあれ?なんか違う?となるのが怖くて、尻込みしていた。お金をかけるならコンサートを優先しちゃうので、憧れつつも縁がないのだった。

 

9月にジコくんがTHINKINGでカムバするとアナウンスされ、ファンからの「サイン会やって」のコメントに対して「10月のpt.2待ってて」と答えてるのをみたとき、ふっと「今行かなかったら、一生行かないかもな、サイン会」と思った。

それどころか、一生ジコくんと一対一で言葉を交わすことはないかもな。

彼は来年兵役に行くだろうし、その前に次のアルバムを出す可能性は高いけど、そこでサイン会があるとは限らない。

ちょっと頑張ってでも、行きたいな、行くべきかもな。頑張ってみようかな。

そう決めた。

 

11月に入ってすぐのある日、やっと公示が出た。

“ZICO ファーストアルバム ファンサイン会 100名”

ボーダーも何もさっぱりわからん。外国人枠もあるらしい。12月にも渡韓予定があるから、多額はかけたくない。

いろいろ調べたら、今回のショップはコンピューター抽選で枚数による傾斜があると。

なんか腰が引けてしまい、やっぱりやめようかな〜と一度は見送りを決めつつも、平日の夜開催っていうのがすごい狙い目な気がしてならなかった。

購入時間ギリギリまで迷い、えい! とささやかな枚数をポチってオタクの仲間に「買ったよー万が一当たったら行く」とラインしたら、幸運を祈る言葉とともに「もう少し増やして狙っても良いのでは!?」という返事がすぐにきて、それに背中を押されて慌てて買い足した。

賭けというか、おひねりみたいな気持ち。当たればラッキー、外れても売り上げに貢献できていればそれでよしだ。

 

発表の日は久々に会う友達とごはんの約束をしてたのにギリギリまで仕事が詰まってしまって、当選確認どころじゃなく、移動の電車の中で(そういえば)と思い出した。

期待半分、どうせダメだろうな―という気持ち半分で、当選者発表ページを開く。

 

当選してた。

え? という気持ちのまま友達が待つ店に行き、ごはんを食べてる間はあんまり実感がなく、よかったね頑張れ! と激励してもらってありがとう〜! と別れたところで「さあどうしよう!?」と焦りがこみ上げてきた。

 

まず、手紙を書かないとだ、いやその前にプレゼントだ、ほら、みんなあげてる! 写真でよく見るやつ! そうだ今日って酉の市! 熊手を買おう! 商売繁盛家内安全!!

 

そこから、まずは飛行機と宿を確保。エアーやすい時期で本当にたすかった。

仕事の算段。帰国日の午後に打ち合わせの打診が来てたので、遅めの時間に設定してもらう。

「ペンサ 会話 内容」「韓国 サイン会 撮影」「ペンサ 流れ」なども検索しまくったんだけど、ポストイット買わなきゃ……ぐらいしか頭に入ってこない。やばい。

 

それから、駆けつけてくれたオタク互助会の仲間と花園神社へ。悩んで悩んで悩んで場内10周ぐらいして、すごくオーセンティックで小ぶりなやつに決めた。ちゃんとKOZの名前で札も書いてもらい、二本で締めてもらった。

これでジコくんも会社も安泰だ!

 

週末に熊手を特別仕様にカスタム。あとはあったかそうなアンダーシャツと、最近使ってすごくよかったので気に入っているアロマバスオイルの小瓶など、ささやかなプレゼントも入手。

こころが落ち着かずいろんな友達に連絡したら、続々と激励の返信が届き、「熊手にささってる稲は種子なので海外持ち出しNG、取り外していかないと没収される」など、なるほど盲点!って感じの有益情報もバチバチ入ってきた。まじでありがてえ。

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そして迎えた当日。

 

全然眠れなくて、朝出がけに家でうだうだしてしまい、意外と時間ギリギリになって焦る。なんとか空港に到着したところでiPhoneのケーブル忘れたことに気づいて、売店で買った。出費!

さらに、チェックインカウンターで「満員のため持ち込みサイズ内であってもトランクは預けてください」と言われてしまう事態が発生。えー、大事に運びたかったからわざわざ梱包した上でトランクに入れてきたのに! 

プレゼントは手持ちしたかったので取り出したら、トランクほぼ空〜みたいな状態になり、これ預ける意味……とか思っていたのだけど、こいつがのちにトラブルの元凶となる。飛行機の到着が若干遅れた上、仁川で荷物が全然出てこない! 本当はさくっと宿に大きいもの置いて会場に向かうはずが直行しないと微妙な時間になってしまった。やむを得ん。

最寄り駅のロッカーに色々と突っ込み、会場へ。

 

受付で名前を言い、パスポートを見せ、順番が書かれた紙を引いて抽選。

真ん中らへんがいいなーと思ってたけど、90番代だった。

えーん遠いよー、私の番が来る頃にはジコくん疲れちゃってない? 時間足りなくて急かされるのでは!? 不安を抱えながらアルバムを受け取って、しばし待機。同じ状況のオタクたちがたくさんいるからホッとする。

アルバム、とてもこだわって作られていて素晴らしい出来でした。

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ポストイット準備したりメッセージカード書いたりしてたら、特にアナウンスもないまま周りで座ってたみんなが次々に会場に向かい始めた。

とりあえず人の後について行けば間違いない、と会場に入る。

舞台中央に長机をはさんでふたつの椅子が置いてあって、うわーあそこでやるんだ! と興奮した。思った以上にスポットが当たる感じでびっくりしたし、みたことあるやつ! とテンション上がったし、99人のファンの視線を浴びながらここに座ってふたりで話をするというのはなんというかセンセーショナルつーか、やっぱり体験して初めてわかることがたくさんあるな!

 

場内は、席で待機してるときは撮影OK。ちょうど近くに日本人の方達がいたので声をかけて、iPhoneを預けるから動画を撮影してもらえないかとお願いしたら、なんと持っているカメラで撮ってくれると……。初めてなんですと言ったらいろいろアドバイスもくれて、心細い中、ほんとうにホッとした。これは声を大にして言いたいけど、本人が優しいからファンも優しいんだな~!

 

席に座ってポイの続きを書いてたら周りで黄色い声が上がって、顔をあげたら舞台袖からジコくんが……ひょっこり顔を出しているではないか……!

かわいい!! なにそのぴょこんとした感じ! へへへって笑ってるじゃん少年かよ! ロングコート似合いすぎる!! ハ〜〜やば!!

そのままニコニコと壇上に上がってきて、みなさん〜THINKINGの最初のサイン会始めますよ〜!楽しみましょー! とか言いながら着席。同時に最前列の人たちが席を立つよう促されてステージ横に移動。はじまってしまう!!! えっこんなにぬるっと始まるもんなの!? 

 

そしてまあ、思ったよりもゆっくり時間をかけて話してくれるジコくん。

人が入れ替わるたびに(つまりジコくんの前に人がいない状態になるたびに)あちこちから響くシャッター音がすごくて、緊張感が煽られてしまう。いやー早い番号じゃなくて良かった……前の人たちの様子見ておかないと心の準備ができん……

 

そしてあの、きっとサイン会ってみんなそうなんでしょうけど、最後列からでも表情がすごくよくわかる。相手の目をしっかり捉えて喋っているのが見えるんですよ。

一人一人とゆっくり話して、プレゼントをもらうたびに嬉しそう。

リラックスして、ファンとのコミュニケーションを楽しんでいるんだろうな、というのが伝わってきて、いつの間にかこっちの心もゆるゆる解けていってた。

 

ジコくんってどっちかというと怖い顔って言われるし、人を緊張させそうなイメージ持たれがちだと思うんだけど、今の実際の人柄は真逆なんだろうなあ、と常々思っていたから、予想通りのゆるゆる空気を纏ってることがすごく嬉しかった。

途中でスピーカーが急にハウったりしたんだけど、猫みたいな顔でびっくりしてて、それがめちゃくちゃキュートで困った。

 

なんか90番代ってすごい待つよな〜飽きないかなと思ったけど、おだやかな顔で楽しそうにしてるジコくんのことは何時間でも見ていられるなあということがよーくわかりましたね。

あとは、スタッフが和やかで感じがいいのも印象に残った。

お時間でーすの声かけもゆったりだし、そのとき何かを話したり書いたりしてたら、無理に間に入らず待ってくれてるようだった。

ピリピリ感がないサイン会……。

 

独立してから色々なことがあって、正直ひどくしんどい状況もあった。

それでも彼を信じてここに来ているファンと、そのファンの気持ちをきっと痛いほどわかっているジコくんと、そんな状況の彼を支えてきたスタッフたち。全員の気持ちが生み出した特別な空気感だったのかもしれない。

 

3月のイベントの、会場にいた人たちが写真を撮るのもためらったと書いていた、あまりに虚ろな様子とか

4月のHIPHOPPLAYAで久しぶりにステージに姿を見せた時の、ガチガチに張り詰めた感じとか

8月のFXCDのコンサートで初披露したOne-man Showの胸をかきむしるような声とか

9月のアルバムにあった、冷え冷えとしずかで重たい、歌詞カードにはないフレーズとか

 

ほんとうにキツい年だったと思う。日本から見ている事しかできなかった、いちファンの私でさえかなりキツかったんだもの。

新しいステップを踏み出したばかりだったところに、のしかかってきたものの重さはいかばかりだったのか。

それでも絶対に下を向かず顔をあげて進む姿には、どれだけ力をもらったかわからないな。

 

行ったり来たりする気持ちとともにぼーっと眺めてたらあっという間(体感)に順番は回ってきて、最後の数人がステージ脇へ移動。流石に心臓がバクバクいう。ひとり、ひとりと終わっていき、私の番が……き……た……!

 

まず、席に着く前からめちゃくちゃこっち見てニコニコしてる。

椅子に座るタイミングで「あんにょ〜ん」と声をかけてくれて、もうその声が驚くほど柔らかくて、韓国語で挨拶と多少の会話ぐらいがんばr…とか考えてたのが完全に飛んでしまい「アンニョンハセヨ 日本から来ました…」と言うしかなかった。

でもさー! 何なのってぐらいやさしいの、慣れてない日本人が来たな、ってきっと瞬時に理解して「ああ〜!」っていいながら名前ポイ確認して、読み上げながらひらがなで書いてくれて。

思わず「うううこういうサイン会始めてきました好きですすごい嬉しい……」と心の声がダラダラ漏れてしまった。

そんな呻き声も「わあ〜ありがとうございます〜」って拾ってくれる。

いつ来たんですか? 韓国に住んでるんですか? と聞かれたので、今日きて明日帰ると言ったら「このサイン会のために?」とびっくり顔。

そのまま「韓国来てからおいしいもの食べました? まだ? トッポッキ食べてくださいトッポッキ!」などと会話を主導してくれる。

言葉を紡ぎながら、ほんとうにまっすぐにこちらの目を見るから、そのあまりの美しさに、吸い込まれて消えてしまいそうだった。

私が緊張で返事に詰まったら、柔らかーい顔で、言葉が出るの待っててくれる……。や、やさしい……(100回目)。

 

ポイで眠れない夜にオススメの曲を聴いたら、ニヤッとして迷いなくZICO/balloonと書いてくれたのが妙に可愛くて思わず笑った。

「お、バルーン、好きですか?」と聞かれたので反射的に「大好きです!」と元気よく答えたら、照れたように笑って「ハハ、ありがとうございます」。その「ハハ」のトーンが、やーほんとに照れ笑いしてる感じで、破壊力がすごい。

 

もうひとつ、日本の歌手とかビートメーカーで気になる人いますか? という質問も書いたのだけど、私のハングルの字が下手で解読に手間取り……でも、文字を指でなぞりながら、言葉に出してひとつひとつわかろうとしてくれた。めっちゃ指綺麗だな、と思って凝視してしまった。

「日本で気になる歌手とか…」と言ったら「ああ〜〜!(そういうことね!)」とわかってくれたその「ああ〜〜!」の声の深くとっぷりとしたトーンに脳をやられてしまい、もうだめだ! と爆発しそうになった。

ちなみに「Verbalさんが好き」だそう。後から考えたら、学生時代に日本で聴いていたのだろうね……胸がぎゅっとするね。

 

最後、熊手を渡したらめっちゃ不思議そうな顔をしてたけど、あらかじめ説明を書いて貼っておいたのに目を通し、同時に私も「ラッキーチャームがついたお守りである」ということを説明したらすぐ(理解した!)という顔になり、なんと、抜いた稲穂の代わりに作って入れておいたカスタムジコモチーフをちゃんと見つけて「おっ! おれおれおれ〜!!」と指差しまでしてくれた。いろいろ細やかに気づいて、言葉で表現してくれる。手厚い。すごすぎる。

 

最後にぎゅーっと手を握って笑いながら、もういちどゆっくり「ありがとうございました」と言ってくれて、私は感極まって「うううだいすき…だいしゅきです……」とオギャーバブバブ状態になり、それでも、彼の手がめちゃくちゃ大きくて私の手にぐるっと指が回っちゃうぐらいだったこと、すごくあったかかったこと、ちょっとだけカサついていたこと、ぎゅーっと力がかかっているけど、ああこれすごくソフトに加減してくれているなあ、と思ったこととかは、記憶にしっかり刻まれた。

 

全員のサインが終わったら、サプライズプレゼントがあって、本人が客席を回ってフォトカードを配るという。座席の間をぬって全員にカードを手渡すんですよ。会場は映画館で、つまり映画館で自分が座ってる席の通路を通るっていうんですよ? なに? 

脚長すぎてみんなの目線ジコくんの膝ぐらいの高さだった。それはまあ誇張だけどほんとそのぐらい脚長かった。最後列の我々のところは、残念ながら後ろの通路を歩いてのお渡しだったけど、前歩かれたら記憶飛んでたかもしれないからよかった……。震え声で「カムサハムニダ…」と言ったら「ネ〜〜」とニコニコしながら目を合わせてくれて、その瞬間まじで、雲が晴れて太陽が一気にパーっと出た時みたいな、あったかくて心地よくて、世界に祝福されてる!という気持ちに。君は太陽。こういうことかあ。

 

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いやあ、なんかさ、重ね重ねになるけど、ここまで柔らかいオーラの持ち主なんだなということにすごく感動したね。

怖さとか威圧感がないんですよ。身体めちゃくちゃ大きいのに。穏やかで、すごく何というか……人と人、って感じで接してくれているというか。

互いにリスペクトしているから安心してくださいね、と言われてる感じ。何なら、色んなことから守られているような気持ちすら抱きましたね。

 

考えてみたら今回のアルバム自体が、純度高く精製した彼自身のこころを、リスナーを信じて預けたというか……。人と人として向き合ってほしいと願って作られた作品だと感じていたから、本人の印象がそれと一致するのは、とても納得がいった。

他人に背中を預けるってすごく難しくて怖いことだと常々思っているのですが、彼はそれができる人なんだよな。

私が見てきたコンサートも、だいたいそういう感じ。自分の意志でやりかたで、妥協しないでステージに立つ。おれはできる全力を尽くすよ。楽しむのも楽しまないのも自由。あとはすべて君次第なんだよ、と言われてる気がする。

ジコくんのコンサートにいると、孤独だなと感じる時がある。ちょっと突き放されてる感じもする。

このステージは彼のもので、彼の人生も彼のもので、もちろん私の人生は私のもので、お互いに干渉はできない。そういう当たり前のことをキッパリ言い渡されてるみたいな。

だけど、それって、人を尊重するという事につながっていると思う。

そして、別々の人生を生きてる人と人だからこそ、支えたり支えられたりできるってることが、ある。

ライブ中に客席におりてきて、差し出されるたくさんの手に体重を預けながら歌うジコくんの姿を思い出す。

全力で何かを表現する瞬間に、他人に背中を預けられるのってものすごくかっこいい。それができる自信がとてもまぶしい。

 

好きなアーティストが太陽神になり、かっこよさを再確認し、人生初のサイン会は閉幕した。

ペンミや誕生日イベントもすごく誠実にファンと触れ合ってて、本人も安心している感じだったなと思い出す。良い空気が回ってる現場なんだなー。

 

ホテルに戻ったらもう夜中で、トッポッキは食べられなかったけど、次に会える時までに美味しいお店を見つけて食べておかねば。

いやその前に言葉をもう少し喋れるようになりたいなあ。日本語であんなにしっかり話をしてくれた事には感動したし、私も韓国語で少しでも話をしたい。

たっぷりもらったでっかいパワーで、私も顔をあげて自分の道を進んでいきたいし、あと、ほんとに心から、あんなうつくしい目になりたいのだ。

優しくて、強い。素直で、思慮深い。

それで、いたずらっ子みたいなキラキラした感じ。

 

行ってよかったサイン会。好きなひとへの尊敬と信頼がまた深まった。

次に会うのはたぶんステージの上と下とになるけど、いつかまたこんな風に近くで話せる機会が持てるのなら、もっともっと伝えたい気持ちがあるなあと思いました。

 

おっかなびっくりだったけど、やはり行ったらなんとかなるものだ!

ただし、わたしのハングルは解読できない可能性があるので、ただでさえ翻訳機使ってて文章が信用ならんのだし、手紙を書くときはもっといろいろ注意が必要だと!痛感した!!

 

9月12日に君を思う

9月12日は、BTSのRMこと、ラップモンスターさんこと、キムナムジュンくんの誕生日です。

 

毎年大騒ぎで画像を貼り付けて、ありったけの言葉をツイートしてお祝いしていたけど、なんだか今年は、いかした祝いの言葉が出てこない。

その代わりに(というのも変だけど)私が大切にしている想い出を書き留めようかな、と思った。

そうやって彼のことを考える日にするのが、今年のお祝いの形なのかもしれないな、と思ったので。

気絶しそうに長い。ほんとはもっと長く書けるぞ。これは、あくまで私主観の文章なので、浸りすぎ〜!となるかもですがご容赦ください。

あと友達には何度も話してて私から聞かされた人も多いと思うけれど、いつものやつが始まったなとと思ってほしい。今でも何年たっても色あせないエピソードです。

 

 

ときは2016年の春にあった、ロッテファンミーティングにさかのぼる。

当時にしても嘘だろ!?ってぐらい色々盛りだくさんな神イベントだったのだが、メンバーが一列に並んだ机のところに行って、紙に全員からサインをもらうというシチュエーションが用意されていた。いわゆる本国ペンサスタイル。ただし一人一人とのコミュニケーションをとってはいけなくて、メンバーに話しかけないでください!! とめちゃくちゃ注意された。

私は、絶対本人に、あなたのファンであるということを伝えたかったので、持っていた赤いリップで腕に“RMサランへ”と書いた。

サインしてもらう時それを見せたら、一瞬ギョッとしたあと「ありがとう!」と顔を上げて目を合わせて笑ってくれたラップモンスターさん。

それだけで本懐を遂げたな……という気分だったが、そのあと集合写真を撮る段に、私の前で椅子の位置調整が入り、メンバー全員が見える位置で待ち時間が発生するというラッキーが起こった。顔を上げてあたりを見回したラップモンスターさんが、ド緊張してカチコチの私に目を留め、大きく笑ってグッと親指を立ててくれた。君はさっきの俺のペンですね、って感じで。来たね! って言われたように感じられて、息が止まった。写真を撮った後(撮った瞬間の記憶はぶっ飛んでいる)席に戻る前の廊下で膝がガクガク笑って座り込んだのを覚えている。短期記憶に残った。インスタント認知。すごい。でき上った写真を見たら、我ながら見たことないガッチガチの顔で映っていた。

 

 

 

2度目の交流があったのは、その年の年末。

リリイベのハイタッチ会でラップモンスターさんと接触の機会を手に入れた私は、意気揚々と列に並んでいた。

首からうちわをぶら下げて。

韓国語はしゃべれないし、そもそも言葉をしゃべれる余裕がある気がしないし、でも、絶対に伝えたい。あなたには価値がある。あなたの存在が救いになっている人間がいると。

悩みに悩んで、なぜかうちわにメッセージを書いて、首からぶら下げた。

私のうちわはかれこれ5年ぐらい同じものを修繕しながら使ってるんだけど、最初は名前だけで作って、例のロッテペンミの時にも持って行ってた。

その時のいい記憶のためか何となく御利益がある気がして常に現場に帯同していたのだけど、その時初めて裏面にメッセージを書き足した。

めちゃくちゃ悩んで、悩んで、「あなたがいてくれて私は幸せです」というようなことを書いた。首からうちわを下げているのが妙に恥ずかしくて、コートを着て列に並びブースに入る直前に脱ぐという戦法を取ったら(変質者じゃないんです……!)という気持ちになってしまって全然落ち着けなかった。

 

いよいよブースの入り口に立ち、勇ましくコートを脱いで、足を踏み出す。

いた……えっ立ってる……背が高い……こっち見たえっ、えっ。

彼は一瞬、私の全身をスキャンするように確認、まずは名札を見つけて「わー!〇〇~!」と名前を呼ぶ。(天才でしょ)そして、名前を呼んでいる間に、目の前の女が首から紐でぶら下げているヤバいうちわを見て、状況を把握したのだろう(いやほんと天才でしょ)かがんで目線を合わせて「ああー僕も幸せです」と……。

 

たぶんこの間、3秒ぐらい。

でも、わたしにはものすごく長い時間のように思えた。滑って転ぶ瞬間みたいだった。

 

剥がされながらアサッテの方向に向かって「これからも頑張って!」とか言ったのは覚えてる。会場を出たぐらいでやっと現実に戻ったというか、じわじわっと何かがこみ上げた。

必死で翻訳したこの一言、間違ってなかった、よかった。というのが最初。

それから、えっこの突然のメッセージを一瞬にして読み取って、日本語で最適な返事をしたの? というのが来た。

 

電車の中で泣いた。泣きながら、明後日のペンミ、席あんまりよくないけどもう十分……! と思った。爪痕を残すつもりが残されたな。よく頑張った私、よく頑張ったうちわ、よく頑張ったラップモンスター。

 

ペンミはBTSを始めてみるという友達と行った。ステサイのほぼ見切れ席の一番端っこ。隣の席が2席空いていたのは、誰かが捨てたのだろうか……。

周りにはラプモンの応援グッズを持っている人はほとんど見受けられず、私はうちわと共に使命感を抱えていた。いつこっちに来ても、俺がいる限り、絶対に寂しい思いをさせない。100人分の応援を送るぞ。

イベントは滞りなく進んでアンコールも終盤。最後の挨拶でメンバーがステージの隅から隅までを回って手を振る。端の端まで来てくれれば、もしかしたらファン(私)の存在に気づいてもらえるかもしれない!

そしてラップモンスターさんがこちらに来る。いつもそうするように上のほうの席にブンブン手を振った後、視線を下ろして……私を見つけた、正確には私のうちわのメッセージを。

彼はあっ!!と言う形に口を開けて、目を見開き、知ってる人(うちわ)に偶然会ったという顔をした。こちらを指さして何回か頷くと、ニッと笑ってしばらくの間、私を見て手を振り続けた。

その反応は明らかに“覚えていた”人のものだった。リリイベのブースに来たファンが来ていると気づいたとしか思えない反応だった。

 

 

それで私はちょっと気がおかしくなって、毎回、コンサート会場に違うメッセージを持っていくようになった。

視認できそうな距離のときはもちろん、めちゃくちゃ遠い席でも、うちわサイズの紙に毎回、蛍光のシートを切り張りして文字を貼った。

新曲最高! とか、今日も超かっこいい! みたいな軽い言葉のこともあれば、歌詞に引っ掛けて熱いメッセージを書いたりもした。

それらが見えていたのか見えてなかったのか。何となく見た!? って喜んだこともあったが、ペンミの時みたいに“通じた”という実感が得られたことはなかった。

バンコクのスタンディングには件のうちわを持って行って隅っこのほうでブンブン振っていたら投げキスしてもらった。やっぱこのうちわご利益あるな、と思ったものだ。

 

いつしかすっかりうちわ芸人となった私だったけど、それはもはやなんていうか、自分の中の儀式みたいだった。このコンサートに私はなにを思って臨むのか。彼らに今何を思っているのかを、書いて、切り出して、貼って、胸に抱いて、確認するような作業だった。

 

 

そんなこんなでWINGSツアーを、海外まで行ってめちゃくちゃに追いかけて、迎えたさいたまスーパーアリーナ

席は後ろのほうだったけどトロッコが通るときにワンチャンあるな、と思ってボードを作った。

そのころラップモンスターさんは、会場が広くなりましたが心はそばにいますから……というようなMCを何度かしていた。ファンからの「バンタンが遠くなっちゃったみたいで」みたいな声が届いていたんだろうな、と思う。

そんなこと気にしなくていいのに。どんどん上へ、目指す方向へ、飛んでいけばいいのに。

「離れた場所にもあなたの曲はちゃんと聞こえてるよ」というようなことを書いた。

TV番組で「世界中の少しでもたくさんの人に自分の音楽を届けたい」と言っていたラップモンスターさんの姿を思い出しながら書いた。珍しく長くなってしまって、四角いボードになった。

 

アンコールが始まるとWINGSの前奏が聞こえて、トロッコが出てくる。隣の友達にいつものうちわを持ってもらって、私はボードを抱えていた。目の前をトロッコが通り過ぎたときラップモンスターさんがこっちを見た気がしたけど、すぐにアリーナのほうに身をひるがえしてしまった。

うーん今回のメッセージ、結構気合い入れて作ったけど失敗か。字数も多かったしな……落胆しそうになった時。

ラップモンスターさんはバッ!! とすごい勢いでこちらに向き直った。

私のボードをもう一度じっと見て、私の顔を見て、それで胸のところに手を当てて破顔一笑。トロッコの動きに逆らうように体をこちらに向けながら「了解した」とでもいうように大きく数回頷いた。

“届いた”と思った。

あー今届いた、すごい、双方向になった。

お互いにものすごい情報密度で、一瞬にしてやりとりした。

なんだこれ、こんなこと起こるのか。

その日はめちゃくちゃ興奮して寝付けなくなって大変だった。

のぼせた頭で、こうやって想いが伝わることってあるんだな~と思ったし、すごく満ち足りた気持ちだった。

RMさんのことなのでもしかしたら、隣の友達が持ってくれていた私のうちわを覚えていたのかもしれないし、普通にたまたま目に入ったメッセージを気に入って反応しただけなのかもしれない。

それは永遠にわからないけどただひとつ、あれは彼自身に拾おうという意思がなかったら拾えないものだということだけは確かだ。

銀河の星のひとつぶの、光のまたたきみたいなメッセージ。次々に流れていくのを見ているのも疲れるだろうに。律儀に、律儀に。

 

 

今思うとあれが私のひとつのゴールだったのかもしれない。あそこで私は満ち足りてしまったのかもしれない。

不思議なもので、その後あんなに公演のたびに思いついていたメッセージはとんと思いつかないし、ボードもさっぱり作らなくなってしまった。

そのかわりずーっと、あの時と同じことを思っている。

 

どんなに遠くにいても、あなたがあなたの意志でステージに立っている限り、その姿も声もちゃんと届いてるよ。

その声が、私にとって心地よいかどうかはその時々で違う。

熱量はどうしても変わるし、手放しで好きだと言えない部分も出てきたりする。

お互いに違う道を歩いているから、当然離れてしまう気持ちもあるけれど。

それでも、あなたの姿はずっと見え続けているよ。

スタジアムの一番後ろの席からでも、画面の向こうからでも、旅先でごはんを食べに入った店の有線越しにも。

ラップモンスターでありRMであるあなたの音楽は、ずっと聞こえているよ。

少なくともそれが、これまでいろんな縁をつないでくれたこと、世界への扉を開いてくれたこと、今日も私の一つの励みになっていることは確かだから。

 

RMさん。やっぱり私は、あなたがいてくれて幸せです。

お誕生日おめでとう。

RMと稲妻と背中の話

アイドルでもアーティストでも実際の人間関係でも何でもそうだけれど「好きになる瞬間」がわからない。

気づいたらなんかその人ばっかり目で追っていて、大人数の中でも見つけられて、髪型を変えれば動揺して、声を聞いてはあ〜好きだなあ…と思う。

私の好きになり方はそんな感じが多い。眠りに入る時と一緒。いつの間にか寝てる。

ただひとりを除いて。

RMさん、その頃はラップモンスターさん。

個人的に「推し」と呼ぶのもなんとなくハマらないけれど便宜上、BTSでの推し。

彼の事を好きになった瞬間のことをすごく鮮明に覚えてる。

しかもその瞬間は2回あった。

 

1回目は2015年4月。

ミックステープ「RM」が公開されて、「覚醒」「joke」がPVとしてカットアップされた、その少し後だったと思う。

ラップモンスターくんの存在は知っていた。その前年のMAMAで、現iKonのバビくんとの間におもしろいビーフがあったときいて、動画を見たりしていたから。

SHOW ME THE MONEYで知ったバビくんのことは華があってかっこいい子だなあ〜と思っていたし、ブロビというかZICOの曲もいろいろ聴きはじめてたので、その辺りがみんな絡んでるって、いったいどんなステージだったんだろうと気になったのだった。

youtu.be

 

赤い髪で、気合入った子だなーという印象。そして名前通りラップが上手だなと。

その後ホルモン戦争とかを聴いて、わーストリートの悪ガキたちめっちゃかわいいじゃーん! ラップモンスターくんはピンクの髪の方が良いじゃーん! 曲もキャッチーですごくいいじゃん〜! とちょこちょこ遡りながら聴き始めたのだった。

それで4月。

MV公開のニュースを見てああ、あの子ソロで曲出したのね、と頭の片隅に留めてた。そんで暇な時に何気なくYoutubeでチェックした。

曲が骨太ですごくびっくりした。ラップも、MAMAのステージの何倍もうまかった。あらら、これはすぐ他の曲も聴かなきゃと検索し、やっとそれが非商業のミクステだと把握した。サンクラ使ってるの!? とそこでまた驚いた記憶がある。

 

それで、すぐ頭から聴いて。

確か夜遅くだった。ちょっと寒い日だったのかなあ、布団に頭まですっぽり潜ってて、iPhoneから流れた「LIFE」の最初のバースに打たれた。

soundcloud.com

 

何にそんなに感動したんだろう。言葉の意味もわからないのに。優しいピアノの音と、静かな美しいビートと、囁くというより押さえつけたような声が流れ込んできて、宇宙に放り出されたみたいな気持ちになった。布団の中で泣きながら何度かリピートした。

ものすごくさみしくて、苦しい気持ちを抱えてるみたい。それで、そこからすごく優しくて美しいものを作る人みたい。

私この人の作る曲がすごく好きだ。

 

それが1回目。

 

 

2回目は同じ年の8月に国際フォーラムで開催されたペンミで。

幕張のコンサートにはいけなかったけどWAKE UPのDVDは借りて見ていたから、生のバンタンを初めて見られるのをすごく楽しみにしていた。

その少し前にはチョロのカムバがあって、ひとりずつ公開されていくティーザー写真を見ながら友達と、じみんちゃんがかわいいな〜やっぱテテって綺麗な顔だな〜って話してたけど、ラップモンスターくんに関してはビジュアル云々関係なくとにかく声が好き、ラップが好き!どっちかというとソロのほうが好き!!!って感じ。

肝心のペンミの内容、実はゲームとかトークのことは覚えていないんだが、曲が始まったらみんなステージ達者で惹きつけられた。早くフルライブ観に行かなきゃ!それにしても全員等しくかわいいしかっこいいし、こりゃあ誰を見たらいいのか決めかねる…。そう思っていたところで始まったのがFor youという曲だった。

まずダンスが綺麗なことにうわあっと感激して。

それで、最後にひとりずつくるっと後ろを向く振りのところで、ラップモンスターくんがこちらに背を向けたのを、双眼鏡越しに見た瞬間に、ピシャーン!!!!と電撃が走った。

めちゃくちゃかっこいい、この人すごくかっこいい!

ジャケットの裾のさりげないさばき、スマートすぎる! 

なにより背中からほとばしる知性と頼もしさ!

全身の造形がなんて完璧なんだ!!! なぜ今まで気づかなかったのだ〜〜〜!!!すっごく美しいぞ〜〜〜!!!

 


足がふわっと地面から離れた感じ。赤い実がはじける瞬間ってあんなんだと思う。

 

www.youtube.com

実物はこの動画の1億倍、かっこよかった…

 

後ろ姿で人を虜にするってすごいな、と思う。

いまだに私はラップモンスターさんの、RMさんの後ろ姿が好きだ。

メンバーの先頭に立って花道をまっすぐ進む背中を追うのが好きだ。

授賞式の舞台に上がるために、凛として歩く背中を見るのがすごく好きだ。

ステージを降りるとちょっとだけ丸まってしまう、どこかさみしくて美しい背中。


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その後いろんな情報収集をしまくって、追いかけまくって、この人応援したいなあ、尊敬するなあ、幸せになってほしいなあ…といろんな好きな部分を見つけていったけれど、あの2回のビリビリっとした衝撃を超えるものは味わっていない。

もちろん、他にも好きになったアイドルやアーティストはいるけど、あんな現象は起きてない。

同じ人に2回一目惚れした、みたいな、なかなかドラマチックな体験でおもしろいなぁと思う。

そのうちまた、ビリビリっとくることがあるのだろうか……。

もう一度こんな一目惚れ体験があるとしたら、どうせならまたラップモンスターさんで味わいたいなと思っているのである。

 

 

マニラで推しに無視された話

 201416年前半は、とにかくEXOがくらしとともにあったのでした。

 

 

 

最初のショーケースだったHELLOはありがたいことに友人が当ててくれました。

当時はショータイムを見て、ベッキョンが気になるなーと思っていた記憶があります。歌もうまいし、頭の回転が速いし、チャンベクしてる様子もかわいいからね!

周りにも、たぶんわたしはベクペンで落ち着きますね~って言ってたはず。

 

そうやって迎えたはじめての生のEXOのステージ。

席がとても良くて(センステ前のブロックの、通路沿いだったはず)はつらつとしたメンバーたちの姿がよく見えました。目がチカチカするぐらいに、おいおいこっちの顔ぜんぶ白飛びしてるんじゃないの、ってぐらいにステージ上ぜんぶが輝いていて、全員にひとしくキャーキャー歓声をあげてしまった、そのはずが、最終的に「ディオーー!!!!」としか叫んでいなかったのだった。

こうして、推しが決まりました。

 

生のステージを見て好きになったので、やっぱりコンサートに行きたくて。

2014ロスプラでは東京大阪各1回だったのが、2015年リューションは福岡初日、東京ドーム初日、大阪2daysと増えていた。

MAMAにも行こうか最後まで悩んだ末、いきなり音楽祭ってのもなあ…と腰が引けて断念して、(それはいまだにちょっと後悔しています)そのかわりに、と言ったらなんだけど単コン追加公演のアナウンスが出たから行こう! と思い立ち、マニラ2daysのチケットを取りました。

 

ソウルでもなく台湾や香港でもなくいきなりマニラ。今思うとよく取ったなあと思うけれど、大阪の最終日が…まためちゃくちゃ見やすい&カメラ近くの席だったおかげで、事あるごとに曲のキメ部分を浴びまくってしまったのである……。

例えば、すごく良く覚えてるのはウルロンのブリッジの「うーりまるごん はーなどぅるしく〜」ってところを歌いながらディオさん、珍しく指で銃を作ってバーンとやってみせた、その直線上にいたのが〜そう私だ〜!!みたいな事が起こりまくり、僕らの未来に幸あれハッピハッピー❤✌️というテンションで幕を閉じたので、そのロスの勢いもかなりあった気がします。

 

 

年明けて2016年1月。

夏みたいな暑さのマニラはものすごい湿度で冬仕様の体からHPを奪うし、タクシーは言わなきゃメーター回さないし、メーター回しても絶対に遠回りするし、ホテルにも会場横のショッピングモールに入るのにも厳重なガンチェックがあってビビったけど、モールに何でもあって入っちゃえば1日ダラダラしていられるし、ホテルは値段の割にとっても豪華で快適、マニラサイコーイエーイ、となるのに時間はかかりませんでした。

しかも、会場のMOAアリーナはステージと客席が異様に近くて、スタンディングフロアの一番後ろにいてもメンバーの表情までバッチリ見えるほどなのです。

海外コンの例に漏れず集合から長時間待ったのですが、開場直前に大混乱が起きて、上りのエスカレーターを逆走して下りながら我先にと扉になだれ込むことになったりして、まったく意味が分からなくて高揚しました。

アリーナの区域わけもあってないようなもので、みんなライブ中でも適当に行き来しまくっててはちゃめちゃにおかしかった。(今はそんなことないみたい。そのときがちょっと異常だった気がする…)

メンバーのコスプレイヤーたちがペンから大人気で、記念撮影の列ができてたり。

アリーナ区域の中でコピーダンスを踊りまくってる集団がいたり。

いままで感じたことのない空気に、ウワーッ楽しみ方は自由なのだ~~!!と瞳孔が開き、圧倒されたまま初日が終わってしまったのでした。

 

でも要領はつかめた。2日目はセンステ前のブロックだし、番号もよさそうだ! 

 

そして迎えた2日目は、さすがに整列入場だったことと周りの人々との助けあいもあって、なんと最前のすみっこに陣取ることに成功したのです。

柵の向こうのステージが…手を伸ばしたら届きそう……! 本気でZEPPの最前とステージ、いやそれより狭いぐらいの間隔。しかも公演中はスマホ撮影OKで、何なら柵前のセキュリティスタッフにiPhoneを渡すとステージの写真撮ってくれるんです。それどころか、うちわが壊れて途方に暮れていたら、目の前のセキュリティのおじさんがステージのセットを留めているテープを豪快に剥がして補修してくれた。いいのかよ! 突っ込みどころが多すぎるだろ!

 

そんな状態だったのでダンスも、歌う様子も、ウソだろー実体がある!!っという感じで生々しく目の前で繰り広げられました。まさに4・D・X!!!メンバーみんなめっちゃ至近距離にいらっしゃったし、チャニョルなんて私のD.O似顔絵うちわみて噴き出して笑ったりしていた。

のに、だ。

肝心のディオさんが、全然私を見ない。近くに来ても、ぎりぎりで見ない。私の頭上を飛んでいく視線。何てことだ~近すぎるのか~~!!

まあそれはそれで仕方ない、こんな間近で歌う姿が見られるなんて最初で最後かもしれないんだからと気を取りなおすも、それにしてもこんな至近距離でちらりとも目が合わないなんて、私はよほどおぞましい顔で彼を見ているのだろうか、と落ち込む。

左隣にいた日本人のチャニョルペンさんが「見ないわね、見ないわね、気付いてないのかしら、コンタクト入れてないのかしら、頑張って呼びましょ!!」と励まし続けてくれて、ありがたくもあるが次第に重くのしかかるプレッシャー……ええと、わたしは歌を聴きに来たんだよな……?

 

まあそれでも、なんやかんやで終盤までキャーキャー楽しんで、他ではありえないから!とそれなりに撮影もしちゃったりして、それでテンション最高潮のDrop thatのときにそれは起きた。

 

間奏中、センステの真ん中でいったんしゃがみこんだディオさんが、ふとこちらを見た。

そして立ち上がるなりスタスタスタと!一直線に!迷いなく!私のいるあたりに向かって!!歌いながら歩いてきて……! 

白いシャツ姿の、その白い部分ががどんどん大きくなって、ついに目の前に、ZEPPの最前みたいな状態の、ステージの端に足をかけて、互いに手を伸ばせば確実に触れられる距離のその目の前に……

あっ……あ……は…と息をのむわたし。

何もかもがスローモーションみたいになった世界のなか、上からウワッと降るようにかがみこんできた目の前のその人は、まずわたしの右隣のセフンペンさんを指さしながら微笑み。

スッ……と視線を上げると、最低限の動きでわたしをスルーして左隣のチャニョルペンさんを指さし、そのままくるりと踵を返し????dfcvg:¥^:l;。、yfr??

 

 

はぁ~~~~~~????

 

 

突然、大量の石ころをおなかに詰め込まれたみたいな気分になった。

いま、わたし、無視された。推してるアイドルに、かんぜんに無視された。

 

チャニョルペンさんもしばし絶句していたけど、早々に気を取りなおし小さな声で「気付いてるからこそ、だよ……」と言った。

「そうですね」わたしは薄く笑いながら答えた。

「撮ってたからじゃないですか?」と右のセフンペンさんが遠慮がちに言う。「撮られるの、嫌いって聞いたし」

そうか…そうかもしれない。でも会場じゅうほぼ全員撮影してるんですよ…かく言うおふたりもiPhoneを手にして……。でも、そうか……自分のファンには撮ってほしくないのか……ああ申し訳ないことをした。そうだよね。パフォーマンスを見にきたのに、欲に目がくらんだわたしが悪かった。もうやめよう、ディオペンとしての覚悟を見せるためにも、ここでカメラを置きます。

 

ポケットにiPhoneをしまい、その後ほとんど出すことはなかった。

 

 

アンコールのとき、目の前を歩いていく小柄な猫背姿に、ダメもとで手を振った。

その人は、わたしを見てにやりと笑い、小さく片手をあげて手を振りかえしてくれた。

 

 

その夜わたしは悪夢にうなされた。内容は覚えてないけど、朝起きたら同室の同行者に「ずっとギョンス……ギョンス……って言ってたけど…」と言われた。

 

 

帰国して、撮影した動画をPCに取り込んで拡大して見た。そこに映っていたのは。

ディオさんが、しゃがみこんだ姿勢から立ち上げるシーン。うちわを持つわたしの手元を見て、それからiPhoneのレンズをしっかりととらえる丸い瞳。こちらに来る迷いのない足取り。

瞬きひとつせず、ファールボールの行方を追うように飛び越える視線。

そして、カメラを手にしたまま呆然としているであろうわたしに背を向ける直前の、それは満足げに、目を見開いた、微笑み。

 

 

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これがマニラで起きたことのすべてです。

 

 


追記:載せようか悩んだけどどう考えても面白すぎるので、私を無視している瞬間のディオさんの写真を載せます。


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EXO20180127エリシオンたまアリレポート(あるいはどうして私は再びドギョンス沼に入ることになったのか)

1月の半ばに久々のEXO単コンに行きました。

その日から今日に至るまで、ずーっとドギョンスのことを考えています。

動画を漁り、タグを検索し、曲を聴いています。

1〜2年ほど情報収集スピードを緩めていたことにより、休漁していた海のごとく豊潤で、これはいけない。

何がどうしてこうなったのか。

 

 

そもそもコンサートのチケットは取っていませんでした。

他のグループを追うのに忙しくて……というのもあるけど何よりも前回のツアーがイマイチだったから……。たぶんWOWOWとかでやるでしょ、それ観ればいいやと思っていた。

ところがソウルコンを観た知人から

「ぜーーーーったいに、行ったほうが良い。ギョンスのコンサートだった、ドペンが観ずして誰が観るのかというレベル」

と言われ、俄然行きたくなってきた、その折に、チケットが余ったのでよかったらというお声がけをいただき、いそいそとさいたまスーパーアリーナに向かったわけです。

 

いやあ、行ってよかった。

本当によかったのです。

 

まず、構成がよかった。大掛かりな仕掛けはないけれど、曲に緩急をつけつつ不自然さのない作り込みで、今のEXOの魅力を引き出していた。

メンバーごとのソロも間延びせず楽しめた。これはチェンベクシの貢献もでかいと思いました。耳になじんでるカチンがソロと全員曲の中間っぽい感じで存在することで、構成全体がまとまるなーと。

あとは、と、と、とにかく推しが……格段に歌が上手くなっていたのです。

ここで遅ればせながら、私の推しを簡単に紹介しますね。

R&Bを歌わせたらKポ界でこの人の右に出るものなし、ベルベットの声の持ち主、EXOのメインボーカルにして、共演者キラーの稀代の若手俳優、曇りなきまなこで偏らないものの見方をする調停者、心身ともに抜群の安定感を誇る男。

D.Oことド・ギョンスです。(じゃーん!)

 

しかし、こんな風に歌を聴かせる人だったっけ? そもそも前回ツアーはあんまり歌声が記憶にない。リューションの頃はもうちょっと繊細で不安定さが目立って、それはそれで揺らぎが奇跡みたいなバランスだなあと思っていた気がするのですが、どっしりしていてねちっこくて…根を張った歌いかたになっていました。根が張られてるから、声の枝葉が一定のテンションを持ったまま絡み合って伸びるようになった、という感じ。

とにかく、1曲目で声に撃ち抜かれて、一瞬にして引き込まれてしまったのです。

 

 

まさかこんなことになるとは思ってもいなかったので、当日の開演時間まで、本当にヘラヘラしていました。

4年ほど持ち続けている年季の入ったうちわを1本バッグに突っ込んで。

ペンラもナシで良いか…と物販もスルー。(そもそも公式ペンラさえ持っていなかった)

ペンラ設定で長蛇の列となっている入場口の横にひっそりあった「ペンライトなしの方の入り口」に並んだら拍子抜けするほど簡単に中に入れました。

すると、中にペンラ売り子さんがいて、横の机でほとんど並ばずに設定してくれているではないですか。

一緒に行った同僚(EXO初体験)が「みんなライト持ってますね…買ったほうが良いかな」と言うので、だったら私も買っとくかぁ……と購入。

後から思えば、これペンラ買いつつ早く入場できる裏技だったのかもしれません。

 

 

あ、今回あらためて思ったのが、はじめて観るという方と一緒に行くの、良いですね! 

特にたまアリは、私自身もはじめてEXOを見た場所なので、写真をみながら

「これがカイ君、これがベッキョン、これが…」

とやっている彼女と一緒にいると、初心に帰った気分になりました。

「でっかくて目がキラキラしてる大型犬みたいなのがチャニョルで、小柄でなで肩のペンギンみたいなディオくんにちょっかい出して制裁を受けるのが名物ですよ、乞うご期待!」

などと怪情報を囁きつつ開演を待ちます。

席は、1階スタンドバクステ真正面のちょっと上の方でした。

座ってまず思ったのが、客層が幅広くなったなあ〜!ということ。親子連れ風の方、私の母に近いぐらいかな?という女性のグループ、男性も以前より多かった印象です。

斜めうしろのボックス席に高畑淳子さんが来ていたそうで、わーっと歓声が上がっていました。

 

暗転からの、オープニング。

(ここからセトリネタバレするので、見たくない方はバックしてください)

 

 

オープニングのナレーションはギョンスなのですが、声がほんとうに深くて甘くて心地よい……朗読ラジオなどやってほしいぐらいです。

1曲目の『前夜』の2番のあたまにギョンスパートがあるのですが、音源と全然違う、私の知っている声と全然違う、力をかけた深くえぐるような歌い方で、びっくりして息が止まってしまった。大変なことになった! と思った。

次の『Forever』は一人ずつ扉から出てはどこかに消えるような演出がすごく好きでした。べっちゃんとしうちゃんってめちゃくちゃダンスが上手くなったんだな…と思ったら後から二人でダンスステージをしていてカッコよかった!この曲もギョンスの声が…えーっ、こんな響かせ方だったっけ???わからない、わからないけれどとても良いということだけはわかる。

そして早くも『Ko Ko Bop』で、この曲ほんと最高、去年の夏こればっか聴いてたことを思い出しました。

 

バーカン風のセットになって、ソロも混ぜつつのセトリに入ってからは、「ワチャりながらソロを見てる推しを見る」という楽しみも生まれました。衣装も大人っぽくて、なんかほっと安心。

 

そして…コンサート全体でわたしのいちばんの盛り上がりポイントはやっぱりギョンスのソロ『For Life』(英語版)です。

彼の英語の発音の心地よさ何なんだろう…一生聴いてたいんですけど……特に”H”が絡む単語の発音がね、ちょっと息が抜ける感じがもうすごく良くて。

息の吐き方が変わったのかなあ…高い声の部分、声が伸びていくところが、張りがあって力強くて、気付いたら鳥肌がすごかったしウーウー泣いてた。隣の同僚は狐につままれたような顔で私を見ていた。

音程がそこまで正確な人ではないのですが、この曲はめちゃくちゃコントロールしている感じがして。それが、声が曲に合ってるから気持ち良く歌えている感じの支配の仕方で、なんかもう、よかったなあって。もうチケット代ここで元取った。あとはゆっくり見よう、と思わず席に深々と座りました。

『boomerang』も好きなので、ライブで聴けるの楽しみにしていたのですがソロショックであんまり記憶ない。

あ、『Lotto』から『Ka-Ching!』への繋ぎが気持ちよかったです。この辺りで我に返って、後ろで宴会芸してるギョンスにも目がいくようになりました。相変わらずほんとうに動きがおかしい。東京音頭みたいに踊ってる。それなのに、スッとソファーで足組んで座ってるときとか、めちゃくちゃな色気が漂う。こわい。かと思うとダンサーのお兄さんに懐き、ベッキョンと絡む。こわい。こわい。

 

後半に入ってからキャーッと興奮したのは、『What U do?』(これもギョンスの声がすばらし)でトロッコに乗ってバクステに来たと思ったら、目の前で『Lucky One』が始まったことです。

首振りを間近で見て眼福すぎました。このダンス見るたびに気分が上がる。何よりこの曲はトラックが神だと思います。インストで延々と聴けます。

 

後半は、日本語曲タイムも何だかんだで楽しかったけど、コズミックレイルウェイは正直まだわからない! なんか不思議!

 

ライブ版『Power』は去年のMAMAで見てて。リミックスバージョン、ダンスフロア感が高まって楽しかった、やっぱりいいですね、ぱわぱわ一緒に歌えるし。多幸感がすごいのでジャンプして踊った。こういうリード曲があるとライブが楽しいよね〜。

ギョンスさんはぱわーの最初かな?お立ち台を乗り間違えそうになり、チョロQみたいにダッシュして自分の定位置に戻ってたのが可愛かったです。

 

最後をナビソニョとAngelの綺麗な2曲で締めたのも良かったなあ。

 

こうして振り返ると、本当に曲が良いと思います。ここばぷとぱわーがすごく良いアルバムだったのだよな。

ああ、ほんとうに行って良かった。

 

余談ですが、バクステでの最終mentのとき、真正面ゼロズレにドギョンスさんという最高の立ち位置だったので、うちわを胸の前でかざしてクルクルしてました。

うちわ、表に名前、裏に目と口ついてて似顔絵っぽくなってるんです。それをクルリンクルリンしながらmentきいてて。

何度か、わー今ここ見てる!?って時があったのですが特に反応もなく、まあこちらも、そんなもんだと思ってたのですが。

全員の話が終わってトロッコに戻る時、スタンドの下の方から何人かに手を振ったあと、ふと顔を上げた彼と(え、目が合った?)と思った、次の瞬間、めちゃ深々とお辞儀をされました。

私にとかでなく、スタンド全体にやったのかもしれない。

それにしても、そのお辞儀があまりに丁寧というか可愛くて愛おしくて、条件反射で「んんんんん〜ありがどぉ〜〜〜〜!!!」という野太い声が出ました。

帰りに同僚に「自分の推しは決まりませんでしたが、nmamさんがディオさんのことすごく好きなのは超伝わりましたよ!」と言われました。

 

そうなんですよね、すごく好きですね……忘れかけてたんですけど、めっちゃくちゃ好きです……

 

今日も明日も私はブランク期間を取り戻すように動画を漁り、タグをチェックします。

たぶん、FCにも入り直すと思いますし、海外公演もどこか行くかもしれない。

二度目の沼は、過去の自分という最強の伝道師がいて、以前落としまくった好みの画像などがPCの奥からぞろぞろ出てきて、えーっめちゃかっこいいな!?などとびっくりする日々。とても困っています。

 

ドギョンスこわい。ああこわい。(まんじゅうこわいのノリで)

rapline live 架空セットリスト

RSH tour 2018 Tokyo DAY2

@zepp divercity

setlist & report


このレポートはすべて妄想です




SEにダカヒー、KOHHはじめ日本語のラップ曲も入っていて嬉しかった!そして登場直前の曲がNASone micだったのがイカしてましたね。



supreme boi DJ time



覚醒

https://soundcloud.com/bangtan/03-1

いきなり覚醒~!ここからの冒頭3曲は1人ずつ登場しながらのラップでめちゃくちゃカッコいいです。



1 VERSE

https://soundcloud.com/bangtan/1-verse-by-jhope


ワンバース、ホビラップがめちゃ上手くなってた~! トラックにアレンジが入ってましたね!


give it to me

https://soundcloud.com/bangtan/agustd103


まさかシュガさんがこの曲から始めるとは思わなかった!


この曲の後3人がステージ上に揃ったのが、すごい迫力!

全員ノーメイクで、多分私服だと思います。

RMさんはビーニーにパーカーにワークパンツ。

シュガさんは黒Tにスキニーで首元にバンダナ巻いてた。

ホビはカンゴールのハットで、デニムのma-1みたいなジャケット着てて可愛い!



WABP pt.1

https://soundcloud.com/bangtan/we-are-bulletproof-pt1-4-begins-ruff


cypher pt.1

https://itunes.apple.com/jp/album/bts-cypher-pt-1/1062827729?i=1062827739


cypher pt.2

https://itunes.apple.com/jp/album/bts-cypher-pt-2-triptych/1062821765?i=1062822793



WABPから初期cypher繋げて2曲で、早くも会場はヒートアップ!

ここでトークと自己紹介。ちょっと硬い感じもしたけど気合が感じられました。

DJ sprmboi をマイメンって紹介するRMさんに感動してしまった


~ここからRMソロ


unpack your bags

https://soundcloud.com/bangtan/soulscape-x-rapmonster


change(RMパートのみアレンジ)

https://soundcloud.com/bangtan/rm-wale-change


https://soundcloud.com/bangtan/01-1



これ、ちょっとまさかの選曲で。

DO YOUとかやらなかったのが意外だけど、こういうモードなのかな、と思いました。

モクソリはちょっとアレンジ入って、明るさが感じられる曲になってた気がします。


~ここからホビソロ


boy meets evil

https://itunes.apple.com/jp/album/intro-boy-meets-evil/1204739131?i=1204739140


MAMA

https://itunes.apple.com/jp/album/mama/1204739131?i=1204739268

ほぼサビのワンフレーズだけだったけど、やってくれて嬉しかったなー! 

というかそのままMAMAぜんぶやるのかと思ったら全然違う新曲に繋がっていったのでびっくりした!


新曲

ちょっとチル系のビートの新曲。

ホビの緩めのミドルテンポラップ、あんまりイメージなかったけど新鮮でよかったです!



~ここからしゅがソロ


Agust D

https://soundcloud.com/bangtan/agustd102


724148

https://soundcloud.com/bangtan/agustd105


いやーゴリゴリいきますね!前2人がちょっとメロウなムードになったところで、やっぱりこの爆発力はしゅがょん!!真打登場感がすごい!!

724148はちょっと歌詞変えて歌っていました。



so far away

https://soundcloud.com/bangtan/sofarawayfesta

so far awayの途中から、メンバーが登場~!

くると思ってはいたけど、ここでかー!!

じみんちゃんとジンくんの声がなー!めちゃめちゃいいんだよなーーー!!!

周り何人か泣いてたし、わたしも涙ぐんでしまいました。


ment

mentあんまり喋らないんだけど、さくっとメンバー紹介めいたものを。

ここからはまた古い曲やります、との事で会場の期待高まりまくり。



WABP pt.2

https://itunes.apple.com/jp/album/we-are-bulletproof-pt-2/1063188529?i=1063188531


HIPHOP phile

https://itunes.apple.com/jp/album/%ED%9E%99%ED%95%A9%EC%84%B1%EC%95%A0%EC%9E%90-hip-hop-phile/1062824217?i=1062824454


BTS全員での2曲。

テテグクがゴリゴリに盛り上がってた!

グクちゃんはサマソニの時みたいな白無地Tバケットハット。

テテは赤いバンダナで、ゴーシャのカットソー。

じみんちゃんはカーハートのオーバーサイズシャツにビーニー。あれジュンヤのコラボかな?

ジンくんはオレンジ色のカットソーにチェックシャツで、綺麗なヒップホップって感じに決まってました。



cypher pt.3 killer

https://itunes.apple.com/jp/album/bts-cypher-pt-3-killer/1062824217?i=1062824458


cypher pt.4

https://itunes.apple.com/jp/album/bts-cypher-4/1204739131?i=1204739271


たたみかけるやつ~!

RMさんがeverybody stand up!!!って煽りまくって全員立たせて踊らせるもんだから汗だくになりました。

しゅがょんはペットボトル5本ぐらい水撒いてた!

メンバーもステージ上で煽りまくってました。


ment


新曲

サイポじゃないシリーズなのかも! ちょっとjazzyなビートですごい今っぽい。新境地でした。


whalien52

https://itunes.apple.com/jp/album/whalien-52/1108833278?i=1108833603


https://youtu.be/J5AUytM-hDo



この3曲はラップラインのみで。

これで本編終了~



~アンコール


come back home

https://youtu.be/2vJFn10XLQM

ここでソテジのカバーやると思わなかった~! ぶち上がった!

ホビがセンターでダンスかましてくれて、きゃーっと騒ぎました。



mic drop (rap remix)

アオキリミックスをベースにした3人バージョンのマイドロ。これもアゲるほうのラップラインって感じでした


ment



I believe

https://soundcloud.com/bangtan/11-i-believe

RMソロ曲をアレンジして3人で。これは歌詞が最高。泣けてしまった。

I believeという言葉で締めるってところにすごく未来を感じると同時に、過去と現在のBTSにおける変わらない部分が「信じる」という言葉だというのが素晴らしいなと思いました。


全体的に、古い曲もやりつつ、前を向くようなまとめ方のライブなのがすごく良かったです。

新曲群はいずれも今っぽいヒップホップのど真ん中にボールを投げてて、BTSではなかなかできないことを自由にやる場として、ちゃんとソロが機能してるんだな、と思いました。


フロアはいつものBTSより男性多めでしたが、それでもアーミーらしき女性がほとんど。

でも、ヒップホップヘッズっぽい若者が、かっこよかった!とワイワイ話していてそれがとても嬉しかったです。

次のライブも楽しみにしてて、との事だったので、またこういう場を設けてくれることを祈っています。


まあ、全部妄想なんですけどね!